人財・人材・人在・人罪

最近、ある方から「人材という言葉があるがそれには四種類ある」と聞きました。

 

人財=人の財産になるような人材、これを本来の人材と呼ぶのだそうです。

人材=ただの材料としての人材。

人在=ただそこに居て何もしない人。

人罪=そこにいるだけで人の害になってしまう人。

 

なかなか考えさせられる話だと思いませんか。

 

先日、ある女性とおしゃべりをしました。

彼女は、農家の長男の嫁であり、妻であり、母であり、毎日クルクルと動き回っています。

自分が病気の時も家族の食事作りを欠かしたことがないのだそうです。

地域のお役が3つ4つ回ってくるのは当たり前。

その度に会合に出席し、地域の運動会にも欠かさず出場。

夫のチームがスポーツ大会で優勝すれば、その夜の祝勝会の準備と後片付けも当たり前。

さらにびっくりしたのは、畑に出るときに紙おむつをしていくという話です。

一旦農作業を始めると、ひとりだけトイレに行ってきますというわけにはいかない場合もあるそうです(日本の農業は、こうやって支えられているのかと改めて頭が下がった次第です)。

聞いているだけで疲れるような話ですが、彼女は、嫁としての苦労も、ご近所づきあいの苦労も、農家を支える女性としての苦労も、みんな笑い話にしていました。

その賢明さ、力強さに、私はひたすら感服しました。

そして人財という言葉が浮かびました。

 

一方、人罪は・・・。

NPOとして活動して約一年。

その中で、人罪?と感じることが何度かありました。

こちらが相手にそう感じるということは、相手もこちらを人罪だと感じたことがあったでしょう。

 

たとえば、他の機関と力をあわせて業務を行なう場合、お互いにどうすればいいのかわからないことも多く、予想以上にたいへんな思いをすることがあります。

パートナーシップといっても、お互いが人財だと認め合わない限りうまくいかないのではないでしょうか。

NPOとして力を発揮するためには、まず人財だと認めてもらうことから始まるのだなあと思った次第です。

 

たくさんの人財に集まって頂いて生まれた「お金の学校くまもと」という法人。

これから人財と呼ばれるような存在になれるでしょうか。

みなさんのお力をお借りしながら、少しずつ進んでいこうと思います。

2005年 6月 会報 第1号より