やられたらやり返す!?ー弁護士への苦情とその対応ー

以前、悪徳弁護士に引っかかった高齢者の相談を受けたことがあります。

県外から出張してきた弁護士に債務整理を頼んだが、音沙汰がないために不安になったという主訴でした。

家計状況や債権者等の聴き取りが手抜き&委任契約書がなんともお粗末、かつ「そちも悪よの~」な感じも充分。

そこで、行政の消費者相談窓口から問題の弁護士事務所に電話。

まず対応したのがなんとも感じの悪い男性事務員で、開口一番「なんの権限があって、行政が電話してくるのか。代理行為なのか」とすごい剣幕。

そこで「消費者安全法に基き、あっせんとして電話をしています。☓☓弁護士と直接お話しをしたいので替わってください。」(ココロの声:四の五の言わずに、とっとと弁護士出さんかい!)と答えました。※消費者安全法第8条「地方公共団体は消費者紛争に係るあっせんを行う」。

この場合の「あっせん」とは、単に、相手方に苦情を取り次ぐだけではなく、解決に必要な情報を提供し、当事者の希望があればあっせん案を提示することなどを指す。

 

事務員が代理なのかと聞いてきたのは、弁護士法の非弁活動(弁護士ではない人が、報酬目的で「法律事件」に関して鑑定代理仲裁和解など法律事務をすることができない)ではないかと、言いたかったのだろうと思います。

その後、やっと問題の弁護士が出てきたのですが、この方も事務員と同じく「なんの権限があって、行政が電話してくるのか」とおっしゃいました。

当然こちらは「弁護士であれば、ご存知だと思いますが・・・」と先ほどと同じフレーズを申し上げ・・・その後、熱いバトルとなり、弁護士は事務員以上のものすごい剣幕で電話を切りました。

が、しばらくすると、弁護士本人が別人のようにおとなしく電話をかけてきました。

実は、こんなこともあろうかと、弁護士事務所に電話する前に、この弁護士が所属する弁護士会の苦情窓口に電話を入れていました。

おそらく、弁護士会で対応した相談員(別の弁護士)が、問題の弁護士に連絡を入れたのではないかと思われます。

話題のTBSのドラマ「半沢直樹」のように「やられたらやり返す。倍返しだ!」みたいな話です。

念のため、誤解のないように申し上げますが、私の周りには信頼できる弁護士がいっぱいいます。

弁護士=悪というわけではないので、どうかみなさんご安心ください。

 

私が個人的にファンなのは、古美門 研介(こみかど けんすけ)弁護士。

フジテレビのドラマ「リーガル・ハイ」の主人公(2012年にDVDと公式book購入済)です。

演じているのは、奇しくも、半沢直樹も演じた堺 雅人さん。

古美門は、偏屈で毒舌で超わがままで、訴訟に負けたことがなく、相談者に「正義は金で買える。金を持ってきなさい」なんて言っちゃいます。

お気に入りのセリフは、弱者救済の使命に燃える新米弁護士に言った「正義は、特撮ものと少年ジャンプの中にしかないと思え。自らの依頼人の利益のためだけに全力を尽くして戦う。我々弁護士が出来ることはそれだけであり、それ以上の事をすべきでもない。わかったか!朝ドラーー!!!」です。

もしも、この弁護士の苦情が入ったら・・・私の周りの弁護士につなぎます。

2013年 9月 会報 第26号より