はたらく・もらう・つかう・うれしい

みなさん、「怪物くん」(藤子不二雄A氏原作)をご存じでしょうか。

怪物ランドのプリンス「怪物くん」とその仲間たち(ドラキュラ・オオカミ男・フランケン)が人間界で繰り広げるコメディーで、1965年に雑誌「少年画報」に連載され、1968年と1980年に2度テレビアニメ化されています。

わたしも(かなり!?)小さい頃、「おれは怪物くんだ。怪物ランドの王子だぞ♪」という歌が、お気に入りだった記憶があります。

 

この「怪物くん」が、実写(テレビドラマ)化されこの4月から放送が始まりました。

毎回テーマがあり、第1回のテーマは、「嘘」。

第2回のテーマは、「お金」。

怪物くんは、父親の大王から人間界に修業に出され、初めて「お金」の存在を知ります。

そこで、教育係のドラキュラは、次のように教えます。

「オカネとは、人間界になくてはならないもの。住むところも食べるものも、このオカネと引き換えに手に入れるザマス。」

 

見ていて、これはいい!と思った場面は、怪物くんがアパートのペンキ塗りをして大家さんから200円をもらい、さらにおにぎりを作ってくれた大家さんが怪物くんに「100円」を請求するシーン。

ここで怪物くんは、こうつぶやきます。

「はたらく・・もらう・・はらう・・たべる・・はらへる・・はたらく・・もらう・・たべる・・うまい」。

 

以前、「お金の学校くまもと」に依頼があり、小学校1年生のクラスでワークショップを実施したことがありました。

その際、「お金はどこからくるのかな?」と聞いたところ、ある子どもが、「お金は銀行が配ってる」と答えたことがありました。

「銀行がみんなにお金を配ったら、その銀行からお金がなくなってしまうよ」と返したら、「よかもん。銀行は、ほかにもいっぱいあるけん」。

この子は、労働とお金との関係がまったくわかっていませんでした。

 

怪物くんのセリフには、考えさせられるものが実にたくさんあります。

「貧乏ってなんだ?貧乏って お金がないことなのか?」「お金っていいものなのか?悪いものなのか?」。

さらに、人間の欲望を悪魔の力に変える悪魔界のアックマーが、「(人間は)無限に金を欲しがり、金に群がり、金こそ全てだと考えている・・・お金じゃ買えないものが世の中にはいっぱいあるのに、それがわからないんです。人間は」と言うのに対し、「『お金なんて』だあ。お金は悪くない。ほしがってなにが悪い。きれいごというな。お金にあやまれ。お前、働いてお金もらったことがあるか。はたらく・もらう・つかう・うれしい。わかるか!お金サイコー!!」(詳しくは、録画したものを入手のうえご鑑賞ください)

 

みなさんがドラキュラだったら、怪物くんにどのように「お金」を教えますか?

2010年 5月 会報 第17号より