自分に気づくということ

ごぶさたしております。徳村です。

はじめに、会報発行が随分遅れてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。

年4回発行ということでしたが、昨年はマンパワーの問題等により、2回しかお届け出来ておりません。

最近、ありがたいことに会報発行を担当していただける方とめぐりあえました。

今年度は、年4回の発行ならびに紙面の充実をお約束できるものと思います。

 

多重債務のご相談を受けていると、これは非常に難しいケースだなと痛感するがあります。

ある若い女性は、福祉関係の勤務のあとスナックでアルバイトをしています。

借金の原因は、やさしい訪問販売のおにいさんが勧める高額な布団、友達が勤める下着屋やマルチ商法・・・

職場には、借金があることを話しており、一度正職員と声がかかっていますが、夜のバイトができなくなるので断っています。

この女性は、お金の学校くまもとに相談する1年前に行政の相談窓口で相談しています。

その際にも、当然債務整理を勧められましたが、保証人である親と親類に迷惑をかけるのがイヤ、実家にこれ以上問題を持ち込みたくない、心配かけたくないとのことでお金を回し続ける道を選びました。

実家の問題とは、認知症の祖母を身体の不自由な母親が介護していること、きょうだいの借金を両親が返済していること、親が借金することを嫌っていることなどです。

自分でも、もうどうしようもないとわかっています。

昼も夜も働く日々がそう長く続かないこともわかっています。

が、債務整理する踏ん切りがつきません。

もっと悪い環境に陥るまで踏ん切りがつかないかもしれません。

もっともっと悪い環境におちていくのかもしれません。

この女性は、どうやったら多重債務の状態から抜け出せるのでしょう。

多重債務の相談を受けている中で、問題の根っこのひとつは、育ち、家族、家庭環境だと確信が持てるようになってきました。

分かれ道に立ったときに、なぜその道を選ぶのか、なぜそういう判断をしてしまうのか・・・

なぜ、家族や身近なひとに相談できないのか、なぜ考えてしまうのか・・・

自分の考え方のクセに気づく、自分に気づくこと、これが多重債務状態から脱するための第一歩ではないでしょうか。

そして、家族に相談できなくても、だれかに言えたら・・・

それを聴けるおとなが増えることが、多重債務の問題の未然防止につながると考えています。

2007年 6月 会報 第6号より