みなさん、もし自分あてに「最近、クラスでムシされてる気がする。ちがうかなあ…」というメールが届いたら、なんと返信しますか?
実はこれ、昨年小学校で情報モラルの授業として実施した「ケイタイの学校」というプログラムの中のひとつです。
小学生たちが書いた返信メールは、実に興味深い、というよりも、予想以上に冷たい印象のメールが多いように感じられてショックを受けました。
そこで、次の授業では、子どもたちが書いた返信メールを大きく8つに分類し、「もし自分たちがケイタイの学校の教官だったら、これらのメールを合格にするか不合格にするかわけ、その理由を考えなさい」というミッションを与えてみました。
A そういえば、この間おいしいタコヤキ屋さんがあるって聞いたんだ。そこで話そう。
B そうかなあ?たとえ無視されたとしても、オレが守ってあげる。助けてあげる。
C え?ちがうと思うよ。オレは無視なんかしないし、安心して大丈夫。いつでも相談して。
D そんなことないよ!!オレがみんなにメールして、確かめてあげるよ。安心してOK(^^)v
E う~ん。きみの気のせいじゃないの。自分で考えてみるか他の人に相談してみたら??
F 違うと思うよ。だって、インコちゃんはやさしくて親切だもん。思いこみだよ(^^)v
G そんくらいでクヨクヨすんな。泣きべそかいてんじゃねーよ。人生そんなに甘くない。
H そんなの自分で考えればいいじゃん。だいたいなんでオレに聞くわけ。他のやつに聞け!!
これも子どもたちの反応は、様々でした。
例えばA。
合格にしている場合、理由は、すぐに話そうと言っているのがよい。
逆に不合格としている場合、理由は、すぐに話そうなんておかしい。
話をすり替えている。場所の特定がなく具体的ではない、など。
子どもたちの反応は、そのままおとなたちが生きている社会を現しているのではないでしょうか。
言葉でのコミュニケーション(人間がお互いに考えや思い、感情・気持ちを伝え合うこと)は、全体の20%(80%って何でしょう?)。
言葉だけでのコミュニケーションは、とても難しい。
相手主導というコミュニケーションの基本を身につけないと、相手や自分を傷つけてしまうこともあります。
私は、今、多重債務の未然防止のための教育で一番必要なものは、コミュニケーション能力だと考えています。
その理由は、次号で。