サウンドオブミュージックという映画をご存じでしょうか。
私は、この映画が大好きです。
中学生のころ、音楽の授業として全校生徒で映画館に行って鑑賞しました。
今思えば、なんとステキな授業だったのでしょう。
この映画には、いくつも有名な歌が出てきます。
ドレミの歌とか、エーデルワイスとかetc.
どの曲もとってもごきげんなのですが、「電池が切れて、もうグッタリ」というときに思い出すのが、「My Favorite Things」( わたしのお気に入り)という歌です。
ある日、住み込みの家庭教師のマリアの部屋に、雷を怖がる子どもたちが次々と集まってきます。
雷鳴と電光におびえる子どもたちに、マリアは「哀しいときやつらいときは楽しいことを考えましょう」と教えます。
たとえば…
Snowflakes that stay on my nose and eyelashes(私の鼻とまつげにつもる雪)
Silver white winters that melt into springs(白銀の冬が春に変わる頃)
それがわたしのお気に入り… そして、最後にこう歌います。
When the dog bites, when the bee stings(犬が噛んだり蜂が刺したり)
When I’m feeling sad(悲しい気持ちになるときは)
I simply remember my favorite things(私はただ 自分のお気に入りを思い出す)
And then I don’t feel so bad(そうすれば もうだいじょうぶ)
生きていれば、悲しい気持ちになることがあります。
そのときに、どのくらい「わたしのお気に入り」を持っているか、持つことのできる生活環境かによって、生き方が違ってくるような気がします。
2月に実施された熊本県弁護士会主催の「消費者被害と精神疾患の関係について考えるシンポジウム~ストレス社会における消費者相談のあり方~」で講演された中島 央(ひさし)医師は、依存症について次のようなお話しをされました。
「人間は月足らずで生まれたサル。もともと何かに依存しなければ生きていけない。依存症になるひとは、本来頼るべき(依存すべき)家族や仕事や人間関係などがなく、何に頼ってよいか(依存してよいか)わからないひと。依存症にならないためには、依存する対象が幅広くあること」。
「依存」ということばを「支え」に置き換えて考えれば、依存症は支援不足症ではないでしょうか。
みなさんには、「わたしのお気に入り」がいくつありますか。